夏の風物詩「団扇(うちわ)」を日常の暮らしの中に
最近では、夏を涼しく快適に過ごす道具として、便利なハンディ扇風機を持ち歩く人を多く見かけますが、
やはり日本ならではのうちわこそ、夏に欠かせない道具のひとつでしょう。
なかなかできない外出も浴衣だと夏を愉しく満喫できそうです
福井県越前市今立(いまだて)。ここは越前和紙の産地として全国でも有名です。
その歴史は長く、1500年以上にわたります。
今も多くの製紙所が立ち並ぶ五箇地区に工房を構える『栁瀨良三製紙所』さん。
直営店『RYOZO』には、「金型落水紙(かながたらくすいし)」と呼ばれる技法を用いた和紙を使った、
夏の日常に取り入れたい、オリジナルうちわが並んでいます。
見た目にも"涼"を感じるうちわ。ネットショップでも販売しています。
数ある製紙所の中でも『栁瀨良三製紙所』さんだけが作ることができる「金型落水紙」。
まるで天然素材のレースのようなやわらかな風合いと、光と影が織りなす美しい文様が特徴の紙は、
漉かれた湿紙(しとがみ)に金型を置き、上からシャワーで水をかけ模様を写しとる、
特別な技法で作られています。
こちらが金型落水紙
「越前和紙」と「丸亀うちわ」の産地コラボレーション
この「金型落水紙」を用いて作られるのが「落水団扇(らくすいうちわ)」です。
落水団扇の美しい透け模様によく合うリネン100のカーテン「エブリベージュ」4,800円~
日本三大うちわのひとつ「丸亀うちわ」で有名な、香川県丸亀市で仕立てられたうちわは、
国産の天然竹と和紙を使用。驚くほどに軽く、竹ならではのしなり具合から、あおぐ風も柔らかで、
産地で「うちわ工房 風の種」を営む職人さんの手で作られています。
1本のうちわができるまで全47工程があり、ほとんどの職人さんが1人で全ての工程を担っているそう。
和菓子の包装紙用に使われていた金型がきっかけ
うちわのデビューは今から6年前。
触るとしっとりとやわらかく、ふんわりと軽い「金型落水紙」に魅了された、
福井在住の女性作家さんが「この紙を使った、うちわを作りませんか?」と提案してきたことがきっかけです。
でも実は、この和紙が誕生するまでにはさまざまな出来事があり、
そのきっかけは2014年から1年間、東京の昭和女子大学の学生たちと行なっていたプロジェクトを進めていく中で、
倉庫で発見した古い金型でした。
現代のライフスタイルに溶け込む和紙にしようと、代表の栁瀨靖博さんは手作りで新しい金型を制作し、
初代からの紙漉きの技を受け継ぐ三代目の京子さんは、ともに紙漉きをする女性職人たちと、
紙の丈夫さ、いかに均一に漉くかという課題を、試行錯誤を繰り返しながらクリアし、
「金型落水紙」は40年の時を超え、蘇ったそうです。
今では手作りの金型は14種類まで増え、店内では「青海波」「華」「風」「七宝」「あわ玉」など、
さまざま文様の落水紙を手にとるができ、お客さまの中には、窓ガラスに貼ったり、
タペストリーとして飾ったり、それぞれのアイデアで和紙のある暮らしを楽しんでいるそう。
普段は和菓子のパッケージを主に手掛けている『栁瀨良三製紙所』さん。
ガレージを改装した直営店『RYOZO』には、近隣の製紙所で作られた和紙も並びます。
それはパッと見ただけではわからない、越前和紙それぞれ個性を直接手にとって確かめて欲しいという想いからです。
また、ショップと工房がつながっていることもあって、こちらでは予約をすることなく工房の見学できます。
使い手のこと想い丁寧に作られるものは、目にした瞬間、不思議とその想いが伝わってきます。
そして使うことで、より愛着がわき、ずっと大切にしようという気持ちが芽生えます。
使うにも見るにも"涼"を感じさせてくれる「落水団扇」。
普段づかいはもちろん、浴衣に合わせたり、インテリアに添えたりしながら、
夏を愉しんでみてはいかがでしょうか。
ちょっとしたお出かけに持っていきたい小物入れバッグ「カスタマイズバッグ」2200円
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RYOZO(栁瀨良三製紙所)
【住所】福井県越前市大滝町10-1
【電話】0778-42-1155
【時間】9:00〜17:00
【休日】土・日曜
【駐車場】2台
【HP】あり
【SNS】Facebook Instagram
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