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筆者:出口季代
創業50年余の老舗カーテンメーカー「株式会社カズマ」に入社後、8年間にわたり縫製課にて縫製リーダーを務め、その後EC事業部に配属。KURASIKUではお客様対応を担当。日々数十件に及ぶ顧客からのコーディネート等の問い合わせに対応している。一般社団法人日本インテリアファブリックス協会認定 窓装飾プランナー
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「KURASIKUのおすすめのヒダなしカーテン(フラットカーテン)はこちら
ヒダなしカーテン(フラットカーテン)とは?
ヒダなしカーテン(フラットカーテン)とは、ヒダの元となるカーテン上部の生地をつまむ縫製がされていないカーテンのことです。
オーダーカーテンでは「1.5倍ヒダの場合」とか「2倍ヒダの場合」などの記載が主流なのですが、「ヒダなし」とか「フラット」という記載を見落としている方が多いのではないでしょうか。
実はカーテンのヒダ(プリーツ)は「1.5倍」「2倍」そして、「ヒダなし/フラット」という3つの選択肢から選べます。(店によっては3倍ヒダを提案している場合もあります)
ヒダ(プリーツ)はウェーブをつくるためにカーテンを吊るフック周辺の生地をつまんで縫製しています。
ヒダのあるカーテンはより豪華なイメージに、ヒダがなければよりスッキリした、シンプルなイメージになります。
(左)フラット(中央)1.5倍ヒダ(右)2倍ヒダ
1.5倍ヒダカーテンはおよそ窓幅の1.5倍の生地を使って2つ山に、2倍ヒダカーテンはおよそ窓幅の2倍の生地を使って3つ山にしています。
ちなみに、オーダーカーテンではなく、すでに袋に入って販売されている既成カーテンは、1.5倍ヒダを標準としてつくられていることが多いようです。
ヒダなしカーテンとヒダありカーテンを比較!メリット・デメリット
ヒダというと、1.5倍や2倍が主流ですが、ヒダのないフラットなスタイルとの違いは以下の表を参考に比較してみましょう。
ヒダなしカーテン | ヒダありカーテン | |
ヒダ感 | なし(お好みでヒダ感を出すことも可能) | ある |
印象 | シンプルですっきりしたイメージ | 高級感があるイメージ |
柄の見え方 | 柄の全容がよく見える | 柄が細かく見える |
生地の量 | 窓幅+α | 窓幅の1.5~2倍 |
重さ | 軽い | 重い |
価格 | 低価格 | 高価格 |
継ぎ目 | 窓幅約145㎝以下なら継ぎ目なし | 窓幅約100㎝以上なら継ぎ目あり |
ヒダなしカーテン(フラットカーテン)のメリット・デメリット
【メリット】--------------------------------------
・部屋を広く見せることができる
・省スペースで狭い部屋におすすめ
・カーテンの柄や刺繍がはっきり見える
・生地のたまりがなく窓際が暗くならない
・生地が比較的軽く開閉しやすい
・価格が安い
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まず、メリットとして挙げておきたいのは、部屋を広く見せることができるという特徴です。
ヒダ感がない分見た目がスッキリ。そのため、ブラインドやロールスクリーン、シェードなどのメカ系を希望しているけど、価格をもっと抑えたいという方に、ヒダなしタイプはかなりおすすめなんです。
さらに、ヒダのボリュームがあればあるほど、生地の量が多くなるため、カーテンを開けて生地を束ねておくスペースをより多く確保する必要がでてきます。
ヒダがなければ窓際ギリギリまで家具を置くことも可能になるので、一人暮らしや賃貸などの狭い部屋にピッタリです。
また、大胆な柄やモチーフのカーテンでインテリアにアクセントをつけたい、と思う方もいるのでは?
柄に特徴があるカーテンの場合は、ヒダがあるとデザインの全容がよく分からなくなるため、こちらもヒダなしカーテン(フラットカーテン)でオーダーするのがおすすめです。
【デメリット】----------------------------------
・厚地のカーテン(特に遮光タイプ)の場合、思うようなヒダ感は出しにくい。
・厚地のカーテン(特に遮光タイプ)の場合、束ねた時に生地の収まりが悪い
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遮光カーテンなど厚みのある生地の場合、ヒダなしタイプにすると、生地自体の強いハリ感によってカーテンを思い切り開けることができないことがあります。
また、タッセルで束ねる際にも、生地が裏返るなどして収まりが悪くなり、見た目が美しくなくなったりすることがあります。
特にカーテン下の裾は、10çm程の折り返し縫製がされているため、ただでさえ厚い生地がその2倍~3倍の厚みとなり、よりハリ感が強くなってしまうのです。
そのため、特に厚いカーテンの場合は、ヒダありタイプにして形状記憶加工をする方がおすすめなんです。
ヒダありカーテンのメリットとデメリット
【メリット】--------------------------------------
・部屋全体に高級感を演出できる。
・均一で美しいヒダ感をつくることができてて、束ねやすくなる。
・窓辺にたまる生地が多くなる分、多少の防寒対策になる。
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ヒダありタイプの大きなメリットのひとつが、ヒダによる高級感が演出できるという点です。
特に厚地カーテンは、形状記憶をプラスすることで美しいヒダを作ることができます。
このヒダ一つひとつに影が生まれ、より重厚感を感じることができるのです。
生地自体が重い厚地カーテンや、落ち着いた色味のカーテンは、たっぷりとヒダを作るとよりお好みに近いイメージになるでしょう。
また、ヒダのボリュームがあればあるほど、使用する生地が多くなるため、その分保温効果も期待できます。ヒダありカーテンは、遮光タイプを掛けることが多い寝室におすすめです。
【デメリット】-----------------------------------
・価格が高い
・生地が重くなるため洗濯等での取り外しの際に大変
・窓幅1m以上の場合、継ぎ目ができる
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ヒダありは、ヒダなしカーテンに比べて使用する生地が多くなるため、価格が高くなります。形状記憶加工をプラスする場合はさらに加算されるので、注意しましょう。
また、ヒダを多くすればするほど生地は重くなり、レールやフックへの負担は大きくなっていきますし、カーテンを開閉したり洗濯などで取り外しする際には多少の重さを感じるでしょう。
加えてカーテンに使われる生地は通常150cm幅で織られているため、使用する生地が約100cm以上になると、生地と生地をつなぎ合わせた「継ぎ目」がでてきます。
例えば幅が120 cmの窓の場合、ヒダなしカーテン(フラットカーテン)であれば継ぎ目はありませんが、ヒダありなら継ぎ目ができます。
ご自宅の窓の幅が約70cm~140cmの場合は、ヒダのスタイルによって継ぎ目の有無が変化するので、知っておくと便利です。
※約140㎝以上の窓であれば、ヒダのありなしに関わらず継ぎ目はできます。
ヒダなしカーテンの作り方
そんな魅力がいっぱいのヒダなしカーテン(フラットカーテン)は、最近人気が高く、自分で手作りする方も増えています。
ミシンがなくても作れるヒダなしカーテンの作り方をご紹介します。
【用意するもの】-------------------------------------
・お気に入りの生地
・アイロン用接着テープまたはほつれ止め接着剤(100均)
・カーテン用クリップ(100均)
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【作り方】
1・お気に入りの生地を用意し、窓のサイズ+3㎝程度でカットする。
2・生地の端にほつれ止め接着剤をぬり、ほつれがないように処理する。
または生地を折り返し、アイロンをかけながら接着テープをつける。
3・上部にカーテン用クリップを取り付け、ランナーやレールに直接掛けて出来上がり。
いかがですか?きっちりミシンで縫わなくても安くて簡単にお気に入りの生地を窓に掛けることができそうですよね。
でも、注意してほしいこともたくさんあります。
掃き出し窓など比較的大きい窓の場合、100均などのクリップだと重量に耐えられず壊れやすい可能性があります。
また、クリップでつまむ微妙な加減でカーテンのたてのラインがまっすぐにならないこともよくある失敗例。
まっすぐ丁寧に仕上げないと、窓に掛けた時に生地が曲がっていたり、美しくない折り返し部分等が透けて見えてしまったりすることも。
費用は抑えられるものの、手作りはリスクも多いのでしっかりしたものを長く使いたいという方は、やはりプロが縫製したカーテンを購入したほうがよいでしょう。
ヒダなしカーテンの選び方
次に、ヒダなしカーテン(フラットカーテン)を選ぶポイントをご紹介します。
選び方のポイントは下記3つです。
1・サイズは窓の幅+αのゆとりをもってオーダーしよう。
2・厚地カーテンならヒダなしでも「形状記憶加工」の検討を。
3・装飾レールなら「ハトメ」タイプもおしゃれ。
それぞれについて詳しく説明します。
1・サイズ幅は+αのゆとりをもってオーダー
特に注意したいポイントは、窓幅のサイズピッタリでオーダーしてしまうと、実際に掛けた時に、窓のセンター部分や両サイドに隙間ができてしまうことです。
オーダーする際の生地サイズの目安は以下を参考にしてください。
ヒダ感はいらない場合 | レール幅×1.05~1.1倍 |
ふんわりヒダ感の場合 | レール幅×1.2倍 |
たっぷりヒダ感の場合 | レール幅×1.3倍~ |
2・厚地カーテンならヒダなしでも「形状記憶加工」の検討を
前述のとおり、遮光カーテンなどの厚地カーテンは、ヒダなしスタイルにすると、カーテンを閉めたり束ねたりする際におさまりが悪くてきれいにまとまりにくくなります。
その場合はヒダなしカーテンでも形状記憶加工をオーダーすることをおすすめします。
料金表には記載されていないことも多いので、一度店員さんに相談してみるのもいいでしょう。
3・装飾レールなら「ハトメ」タイプもおしゃれ
大きなハトメ金具を上部に付け、レールに直接生地を通すスタイルの「ハトメ」タイプ。
ふくらみの大きなヒダが生まれ、洗練されたフォルムが人気です。
プラスチックのランナーが走っている機能性レールではなく、輪っかなどでカーテンを吊る装飾レールであれば、ハトメタイプもおすすめです。
ヒダなしカーテンのコーディネート例
次に、ヒダなしカーテン(フラットカーテン)を活かしたコーディネート例をご紹介します。
1・装飾レース×カラー厚地×フロントレース
刺繍やプリント、編みレースなど、デザイン性が高くて透け感の強いレースを掛ける場合、厚地カーテンの手前に掛ける「フロントレース」という掛け方がおすすめです。
このコーディネートの魅力は、レースの美しさが際立つのはもちろん、レースからゆらゆらと透けて見える厚地のカラーがとても美しいです。
そのためレースは透け感の強いものを、厚地も遮光性が低く鮮やかな色の生地を選ぶのがポイントです。
日中はレースだけでも楽しめますが、少し厚地を閉めて、2枚の魅力が融合した新しい表情を見つけられることでしょう。
2・大胆な柄の厚地カーテン×ベーシックレース
部屋のコーディネートの中心となるような、インパクトのある厚地カーテンを活かすヒダなしフラットカーテンのコーディネート。
合わせるレースは厚地のデザインを引き立たせる色を選びましょう。
決して白レースがその役割を担っているとは限りません。厚地カーテンの色やトーン、テイストを意識して選ぶことが大切です。
厚地カーテンは、ヒダなしフラットなスタイルを活かすために比較的薄手の生地を選びました。
3・装飾編みレース×カラーレース
巧みな編み技術で表現された装飾レースは、レースならではの上質感と高級感が持ち味です。
十分な透け感のある編みレースを手前に掛け、それを活かすカラーのベーシックなレースを奥に掛けた、レース2枚のコーディネートです。
生地の柄や素材を活かせるフラットカーテンならではのスタイルです。
KURASIKU厳選!おすすめのヒダなしカーテン
最後に、KURASIKUがおすすめする、自然素材100%のヒダなしカーテン(フラットカーテン)をご紹介します。
KURASIKUのカーテンは、生地上部にあいた8つのボタンホールに好きな布リボンを通して掛けるスタイルで、オーダーでなく丈が6サイズ展開の既成サイズカーテン。
布を調整することでどの窓にも希望の丈感で掛けることができます。
糸の節が感じられる自然素材ならではの豊かな風合いと、その素材感を活かすためのさまざまな工夫もたくさんあるのでぜひチェックしてみてください。
1・ヒビアイボリー(コットン100%)
商品名 | ヒビアイボリー |
サイズ | 幅150㎝×丈200㎝ |
価格 | 1枚5,800円×2枚 |
カラー展開 | アイボリー/グレー |
シンプルなアイアンレールに掛けたのは厚地カーテンとして最も人気の高い「ヒビアイボリー」。
廃棄生地を減らすために活かした両サイドの生地耳には、あえてブルーのアクセントを添えて、コーディネートに楽しさをプラスしました。
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2・モーニイエロー(リネン52%/コットン48%)
商品名 | モーニイエロー |
サイズ | 幅150㎝×丈120㎝ |
価格 | 1枚4,800円×2枚 |
カラー展開 | 1枚4,800円×2枚 |
グレイッシュなラベンダーカラーにキナリの縦ストライプが爽やかな「モーニイエロー」。
光の入り方によって、さまざまな表情を見せてくれる魅力的な生地です。
リネンならではの糸の節を感じられるさらりとした風合いと、コットンならではのあたたかみがミックスされた1枚です。
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3・バスク(コットン100%)
商品名 | バスク |
サイズ | 幅150㎝×丈200㎝ |
価格 | 1枚5,800円×2枚 |
カラー展開 | なし |
厚地として最も人気の高い生地です。帆布生地のような厚みとタフさを感じる風合いでありながら、光を程よく通して爽やかな空間を演出してくれます。
フラットカーテンならではの不規則なヒダ感がほっこりした癒しの時間を届けてくれるでしょう。
4・アンクル(リネン58%/コットン42%)×エブリ(リネン100%)
(手前)
商品名 | アンクルブラウン |
サイズ | 幅150㎝×丈220㎝ |
価格 | 1枚6,100円×2枚 |
カラー展開 | ブラウン/ネイビー/ブルー/オレンジ/グレー |
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(奥)
商品名 | エブリコーン |
サイズ | 幅150㎝×丈220㎝ |
価格 | 1枚6,100円×2枚 |
カラー展開 | コーン/アイス/クリーム/スカイ/ピーチ |
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レースとしても厚地としても使え、KURASIKUのカーテンの最もスタンダードなデザインに仕上げた「アンクルブラウン」は、よく見るとヘリンボーン柄で織られ、紳士的な上質感を追求しました。
イエローカラーのリネンをレース代わりに掛けたコーディネートは部屋を暖かく感じさせる効果アリ!秋冬におすすめのコーディネートです。
ヒダなしカーテン(フラットカーテン)は、人の手で計算して作りこんだスタイルではなく、生地そのもののデザインや素材の風合いを生かし、あくまでも自然にできる曲線や透け感が魅力です。
風や光によって変化するその魅力を知った上で、カーテン選びをしてみてくださいね。
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