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筆者:出口季代
創業50年余の老舗カーテンメーカー「株式会社カズマ」に入社後、8年間にわたり縫製課にて縫製リーダーを務め、その後EC事業部に配属。KURASIKUではお客様対応を担当。日々数十件に及ぶ顧客からのコーディネート等の問い合わせに対応している。一般社団法人日本インテリアファブリックス協会認定 窓装飾プランナー
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デニムカーテンとは?
デニムカーテンとは、基本は経糸がインディゴ染(今は化学染料が主流)、横糸が白の糸をつかって綾織という織り方で織られたデニム生地で作られたカーテンのことを言います。
デニム生地はもともとフランスで労働者の作業着のために生まれた生地なので、摩擦や水分に強く、ほつれても繕いやすいほか、とても長持ちするよう丈夫に作られています。
使い込むほどに柔らかくなり色落ちしていくので、表情の変化を楽しめるのが大きな魅力です。
デニムカーテンの4つの魅力
デニムカーテンは、ファッションのデニムやジーンズと同様に今やカーテンのスタンダードなデザインのひとつ。そんな誰からも愛されるデニムカーテンの魅力は次の4つです。
- 色合いや風合いの変化をたのしめる
- 生地や色、デザインのバリエーションが豊富
- おしゃれでコーディネートしやすい
それぞれ詳しくご説明します。
1・色合いや風合いの変化をたのしめる
デニム生地の多くは、経糸に中白(ナカジロ)染めと言われる、糸の芯を白いまま藍色に染め上げられる方法でできています。
ですので、お洗濯を繰り返していくうちに、徐々に外側の青がとれてきて、芯の白が出てくるという仕組みです。
よく擦れるところは白く色落ちし、あまり擦れないところは青色が残ったままになる、この仕組みが独特のヴィンテージ感につながっているのです。
また、どのカーテンも耐光度を考えて作られているものの、特に日差しの強い部屋の場合、日光に当たる窓側は室内側よりも色落ちしやすいことがあります。
そんな経年変化もデニムカーテンの"味"のうち。自分色に味わいが育っていくのが、デニムカーテンならではの魅力です。
2・生地や色、デザインのバリエーションが豊富
ひと言でデニムカーテンといっても、ジーンズと同じく、その色合いや風合い、デザインはさまざまです。
ヴィンテージ感のあるアルファベットがプリントされたものや、パッチワークのように色合いの違う生地を交互に貼り合わせたようなデザインなど、お好みで選べます。
さらにデニムカーテンは厚みのバリエーションも豊富。
遮光性の機能が付いたほとんど光を通さない厚手のものから透け感を感じるものまで幅広くラインナップされているので、ご自宅の環境に合わせて自由に選んでみましょう。
3.おしゃれでコーディネートしやすい
デニムカーテンはあらゆるインテリアと相性がいいのも特徴。
ヴィンテージ風やカリフォルニア(西海岸)風はもちろん、ブルックリンやカントリー風インテリアにもおすすめ。
さらに、白と黒を基調にしたアーバンな雰囲気のインテリアにも、相性がいいんです。デニムカーテンの風合いが、バランスのいい抜け感を演出してくれます。
デニムカーテンは大きく3種類ある
デザインや風合い、厚みなど特徴が豊富なデニムカーテン。実は見た目は同じようなデニムでも素材や製造方法まで全く違うものが多くあります。
次に、その違いの大きい3つの種類のデニムカーテンをご紹介します。
- 本格的なジーンズのような厚地のデニムカーテン
- デニム風にプリントされたデニムカーテン
- 本格デニムにしなやかさを加えたデニムカーテン
1・本格的なジーンズのような厚地のデニムカーテン
デニムの本場、岡山のジーンズ生地100%カーテンなど、本格的なデニム生地で作ったデニムカーテン。
デニムパンツなどで使用するステッチ糸を使って縫製してあったり、デニムパンツ同様、ウォッシュ加工などでダメージを施したりと、まさに本格ジーンズを再現したデニムカーテンです。
メリット | 色落ちして味わい深く変化していく |
デメリット | 価格が高い・生地がかさばり収まりにくい |
【メリット】
この本格デニムカーテンのメリットは、ジーンズやデニム本来の良さが存分に楽しめること。
よく擦れるところは白く色落ちし、あまり擦れないところは青色が残ったままになるというデニム特有のヴィンテージ感をそのままに、時間の経過とともに自分色に味わいが育っていきます。
【デメリット】
デメリットは、品質を追求したデニムカーテンのため価格が高くなりやすいこと。
さらに厚地で比較的かたい生地が多いため、カーテンを束ねたり、窓の両サイドに寄せたりすると、生地が収まりにくいことです。
プリントではない本格的なデニムカーテンは、新品の状態では均一の色ですが、使い続けるうちに徐々に色が落ちていきます。
耐光性を考慮して作られていますが、光が当たる窓側は室内側に比べて色落ちしやくなります。表情が変わっていく特徴を楽しめる方におすすめの素材です。(極端に色落ちていくことはありません)
2・デニム調にプリントされたデニムカーテン
デニムカーテンで最も多く見かけるのは、デニム風にプリントされたポリエステル素材のカーテンです。
テキスタイルのプリント技術はどのメーカーも非常に高く、デニム特有のダメージ感やシワ加工まで、鮮明にプリントで表現することができます。
そのクオリティは、近くで見てみないと本当のデニム生地との違いが分からないほど。
そのプリント技術を生かして、多くのブランドでポリエステルのデニムパンツなどが商品化されているので、私たちにとってもプリントのデニム生地は身近な存在になっています。
(写真上)遮光機能のある厚地のポリエステルカーテン
メリット | 価格が安い・経年変化がほとんどない |
デメリット | 全体の風合いや生地裏にポリエステル感がでてしまう |
【メリット】
プリントのデニムカーテンの素材は、ポリエステル100%。そのため大量に市場に出回り、価格が安いのが大きなメリットです。
また、遮光等の機能を付加するなどの加工がしやすいほか、洗濯したり使ったりしているうちに徐々に色落ちするという、経年変化もほとんどありません。
インテリアとしてデニムカーテンを採り入れたいけれど、経年変化はいやだし、安く手に入れたいという方にはプリントがおすすめです。
【デメリット】
遠目では本格デニムカーテンと変わりありませんが、やはり近くでみると風合いの違いが歴然としています。
特に光を通した時の、糸1本1本を感じられるような豊かな表情は、プリント生地では再現できません。
また、プリントカーテンは表面にデニム風のプリントを施しているので、裏面は分かりやすいポリエステル感がでます。
窓の外からもデニムのイメージを出したい方は、やはりコットン100%のデニムカーテンがおすすめです。
3・本格デニムにしなやかさを加えたデニムカーテン
本格的なデニム生地の風合いを生かしつつ、カーテンらしい風になびく柔らかさを追求したデニムカーテンもあります。
こちらは自然素材100のカーテンを展開しているKURASIKU(クラシク)のデニムカーテンです。
インテリアファブリックとして馴染みやすいよう、通常のデニムより細番手の糸を使用し、落ち感のある軽やかさと風に揺らぐ柔らかな風合いを追求して中厚生地に仕上がっています。
生地の両サイドには、本来カットされるはずの生地の耳がそのまま残されているデザインも特徴のひとつ。
デニムらしい落ち感も感じられてデニムカーテンの魅力がいっそう引き立ちます。
メリット | 風や光をほどよく通して心地よく感じられる |
デメリット | 寒さ対策には向いていない |
【メリット】
この柔らかいデニムカーテンのメリットは、日差しを程よく通し、日中部屋の中が明るく保ちつつ、風に揺れ、触れた時にも優しさを感じられるような軽やかさを感じられる点です。
【デメリット】
一方、生地自体に厚さがないので、寒さ対策としてカーテンの購入を考えている人には少し物足りないと感じるかもしれません。
また、本格的な厚地デニムカーテンと同様、綿100%で作られているので、洗濯や光の強さによって色合いが少しずつ変化していく経年変化が嫌だという方にはおすすめできません。
KURASIKU厳選!おすすめデニムカーテン
コットン100%のやわらかなデニムカーテンを展開するKURASIKUから、おすすめのデニムカーテンをご紹介します。
▶デニムブルー
「デニムブルー」は、家具や床の色が比較的明るめの木材のほうが、コーディネートしやすいです。
商品名 | デニムブルー |
サイズ | 幅150㎝×丈120㎝ |
価格 | 1枚4,800円×2枚 |
カラー | ブルー |
より鮮やかなブルーで、カジュアルな印象のデニムカーテン。
カリフォルニア風やカントリー風インテリアにおすすめのラフ感のあるカラーで、光を通すとより明るいイメージになります。
また、白のリネンはもちろん、華やかな装飾レースと組み合わせてもシャビ―な印象になってまた違った表情を楽しめます。
天然素材カーテン デニム ブルー - カーテン madomo | KURASIKU(クラシク)
▶デニムネイビー
商品名 | デニムネイビー |
サイズ | 幅150㎝×丈120㎝ |
価格 | 1枚4,800円×2枚 |
カラー | ネイビー |
深みのある藍色で、よりヴィンテージ感の強いカラーで、ウォルナット風のダークブラウンの建具や床によく合うので、ブルックリンスタイルや、ヴィンテージ風インテリアにおすすめです。
光がない夜などはインディゴブルー、日中光があたると、美しいオーシャンブルーに色合いが変化します。
朝と夜、全く違う表情が楽しめるのは、薄手の自然素材カーテンだからこそ、なんです。
天然素材カーテン デニム ネイビー - カーテン madomo | KURASIKU(クラシク)
インテリアテイスト別・デニムカーテンのおすすめコーディネート
時と共に変化する色合いや光の当たり具合で表情を変えるおしゃれなデニムカーテン。インテリアのテイスト別のコーディネートは次の4つです。
- ヴィンテージ風インテリアとデニムカーテン
- 北欧風インテリアとデニムカーテン
- シンプル&ナチュラルインテリアとデニムカーテン
- 西海岸風インテリアとデニムカーテン
それぞれ詳しくご説明します。
1・ヴィンテージ風インテリアとデニムカーテン
ヴィンテージスタイルやブルックリンスタイルは、
アメリカニューヨーク州、工場や倉庫が建ち並ぶブルックリン地区をイメージしたインテリアスタイル。
カフェのようなカウンターや、レンガ調の壁紙、アイアンの収納棚など、カフェ風やインダストリアル(工業的な)インテリアが良く合います。
ウォールナットやブラックチェリーなどの濃いめブラウンカラーの家具に合わせるなら、デニムカーテンも濃い色のデニムカーテンを選びましょう。
今回はKURASIKUのデニムカーテン「ネイビー」をコーディネート。さらにかっこよさを出すためにボタンストラップはブラックカラーを合わせています。
2・北欧風インテリアとデニムカーテン
北欧インテリアは、フィンランド・スウェーデン・ノルウェーなどのデザイン性の高い家具や食器・雑貨をミックスさせたぬくもりと居心地の良さを追求したインテリアです。
ヒノキやナラなどの明るいカラーの家具や床のある北欧インテリアに合わせるなら、デニムカーテンも明るめカラーがおすすめです。
白のリネンカーテンをコーディネートするのもいいですが、もっと遊び心をだすなら、カラーのあるリネンカーテンと組み合わせるとgood。今回はグレイッシュなグリーンのリネンカーテンを合わせました。
北欧インテリアならではの居心地の良さややわらかさを出すために、生地の両サイドについたボタンでシェード風のアレンジをしています。
3・シンプル&ナチュラルインテリアとデニムカーテン
観葉植物や無垢の家具などの自然にかこまれたシンプルなインテリアの場合、とくに、ポリエステルのデニム風カーテン、デニム調カーテンは合わせにくくおすすめしません。
やはり同じ自然素材でまとめたほうがコーディネートに調和がとれるのです。
また、本格デニムカーテンでも、ジーンズのような厚地だと自然体のナチュラルなインテリアの雰囲気にはなじみにくいため、しなやかさのあるデニムカーテンをチョイスしましょう。
ボタンストラップは、はっきりしたホワイトカラーのものではなく、ナチュラルインテリアに合わせて少しキナリ色を合わせました。よく見るとたてに刺し子柄が織りこまれている柄です。
4・西海岸風インテリアとデニムカーテン
西海岸風インテリアは、カリフォルニア風インテリアともよばれます。
西海岸の温暖な気候、眩しい太陽や青い海、心地よい風など、爽やかな自然を感じられる雰囲気をイメージしています。
そんな海辺のリラックスした雰囲気にアメリカならではのヴィンテージテイストを取り入れた、開放的でカジュアルなインテリアスタイルです。
デニムカーテンを象徴するようなイメージのインテリアですよね。
インテリアに個性があるので、ダメージ加工があるような少しパンチのあるデニムカーテンでも合わせやすくなります。
本格的なジーンズのような厚地のデニムカーテンを掛けてもOK。
こちらは同じデニムカーテンを使って、カリフォルニア風のリビングに勝手口の目隠しとしてデニムカーテンを使用してみました
部屋別のデニムカーテンコーディネート例
次に、お部屋別のデニムカーテンを使ったコーディネートをご紹介します。
お家の間取りは、それぞれ家族構成や暮らし方、光の入り方などが最大限考慮してつくられているので、部屋の間取りに合ったカーテン選びが必要です。
今回は特徴の違う次の3つの部屋に合ったデニムカーテンのコーディネートをご紹介します。
- リビングとデニムカーテン
- 寝室とデニムカーテン
- マンション1Kひとり人暮らしとデニムカーテン
以下それぞれの詳細をご説明します。
1・リビングとデニムカーテン
リビングは、外からの風や光を明るく柔らかく採りこんでくれるリネンのような薄手のカーテン1枚でも、十分日中のプライバシーは確保できます。
夜のプライバシー対策でもう1枚重ねるなら、日中束ねておいてもスッキリする薄手のデニムカーテンを選びましょう。明るくて開放的なリビングを活かせます。
上の写真は、日中は爽やかなイエローのリネンカーテンを1枚。夜はチャコールグレーのインテリアに合わせて深みのあるインディゴブルーのデニムカーテンを合わせました。
2・寝室とデニムカーテン
「寝室のカーテンといえば遮光カーテン」と思っている方も多いかもしれませんが、朝になると太陽の光が部屋に入ってくる方が、自然に心地よく目覚めることができるといわれています。
一般的にはデニムカーテン1枚、もしくはリネンなどの薄いレース用カーテンを重ねた2枚で十分プライバシー効果はあり、朝も光を感じることができます。
しかし、交代制のお仕事で日中睡眠をとらなくてはいけない方や、夜間窓の外が明るくて寝られないという方は、遮光性のある窓辺づくりが必要です。
遮光機能付きのデニムカーテンを選ぶのもおすすめですが、薄手のデニムカーテンでもやり方次第で日中でも遮光性があり安心です。
上の写真のように、濃いめのカラーの生地を選び、同じような厚さのカーテンをもう11種類重ねてコーディネートしてみましょう。
3・マンション1Kひとり暮らしとデニムカーテン
ワンルームのひとり暮らしの空間にも、デニムカーテンを掛けるだけで手軽におしゃれな空間を作ることができます。
写真上は、グレーと白を基調とした1Kの賃貸マンションのコーディネート。
北側の腰窓は、すぐ先にマンションが隣接していて外からの視線が気になる一方、陽ざしが入らず暗いのが悩み。
そこで日中は穏やかな光を採りこめる白のリネンを重ね、夜はデニムカーテンを重ねてしっかり目隠しできるコーディネートになっています。
一方、西の方角にある掃き出し窓のほうは、夕方になるとかなり強い陽ざしが入ってきます。
夏になるとあまりに強い日差しのため、床が焼けて日中はテレビもほとんど見えません。
そこで、デニムカーテンと同じ中厚生地(厚地カーテンとしても使えますがほどよく透ける生地)をリネンカーテンの代わりに掛け替え。
中厚生地2枚のコーディネートも、自然素材なら強い日差しが入ってもかなりお部屋が明るく保てますし、陽ざしから床焼けも防げます。
もちろん、ポリエステルですがUVカット機能のある白いレースを購入して、デニムカーテンを組合せても安心ですね。
デニムカーテンを掛けたいならKURASIKU
インテリアもお部屋も選ばない万能なデニムカーテン。
洗えば洗うほど、使えば使うほど豊かな味わいのある表情に変化していく魅力は、他のカーテンでは味わえないものです。
中でもKURASIKUのような自然素材のしなやかさが生きたデニムカーテンは、コーディネートがしやすく、ほどよい透け感で光を採りこみながら、ゆらゆらと風にゆれる心地よさも加わって、癒しと温もりのあるお部屋をつくることができます。
自然素材のやわらかなデニムカーテン、ぜひご自宅のお部屋に採り入れてみてください。