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24時間、思考がフル稼働し、目まぐるしく過ぎゆく日常。 雑然とした身の回りの風景の中に、精彩を放つ、1枚の白布を吊るしてみる。
布によって余計なものを排除した空間に、
ポツンとひとつ、生きた器。花。香り。
当たり前にあった日常の景色の見え方が変わり、
呼吸が、心が、ととのっていく。
1枚の布で完成する、小さな小さな宙空間。
余計なことを考えず、意識を「ここ」に集中させ、
自分との対話を深める時間。
花入の姿形、湯が沸き立つ音、
五感をフルに使い、思考を断ち切り、
今この瞬間に完全に意識を埋没させる。マインドフルネス。
ただこの清らかな布の中に身を置き深呼吸する。
それだけで、心身ともに深いやすらぎがもたらされます。
苧麻布「sayu」は、細密な織りと、晒(さら)した白さを特徴とした高級白布(はくふ)。
風をまとうように軽く、
湧き水のように涼やかな、
たぐい稀なる極上の織物
この布がもつ白さは、目で受け合うだけのものではなく、心の中から何かが著しく立ち現れてくるような、鮮烈な、白。
そして、水のように、空気のように透き通る、白。
色の属性を超え、日本人の感受性や心理、美的好奇心にに深く響いてくる。目指したのは、そんな白です。
良い白に出会うと、脳の中に貯えられた感覚のアンテナが、アップデートされたような清々しい気分になります。
美しい白に心を通わせると感じ始めるのは、
静けさ、
余白、
そして、そこに潜在する時間の流れ。
混沌とした雑音の中から、今の自分の心が本当に必要としているものだけを、素直に聞き分けられるようになる気がしてきます。
私たちの心は、目にする光景に少なからず影響を受けています。
インテリアもそのひとつ。
布によってきちんと整えられた空間に身を置くだけで、頭と心が休まり、
目にしている光景と同じようにすっきりと軽やかになっていきます。
現代に生きる私たちには、心だけではなく、脳を癒す時間も必要です。
鮮烈な白い布から生み出される、途方もない余白。
その余白の中に身をおき、
仕事中の緊張や興奮から自分を解放し、
脳を休ませ、心を浄化するのです。
すると、思考が止まり、繊細な感性が
養われて五感が研ぎ澄まされます。
湯が沸き立つ音、
道具のなめらかな手触り、
苧麻布の白と一対となり美しさを放つ茶の色、
わずかなお香の煙のゆらぎ。
それまで意識が向かなかった感覚を、豊かに、明瞭に楽しめようになるのです。
空っぽになった脳と心、空っぽの空間。
何もない空(うつ)を介して喚起されていくのは、想像力です。
何もないことで満たされる日本人独特の美意識が、
枯淡で簡素なものの中に、
むしろ自在に思いを投じ、
イマジネーションを芽生えさせてくれます。
普段の暮らしの中でこのような環境をつくるのは決して難しいことではありません。
1枚の清い布で間を仕切る。
それだけでいいのです。
狭く煩雑な住空間にこそ、この1枚の布が作る空(うつ)の広がりは絶大。
布がまとう空気感が、深い呼吸とシンクロします。
白壁やシンプルインテリアとは全く異なる、白い布がつくる空(うつ)の空間。
それこそ想像力に満ちる知的エンターテイメントだと思うのです。
私たちが今回お届けするのは、麻布、苧麻布(ちょまふ)。 真っ白に晒されたその布は、細く長い、繊細な糸で織られ、凹凸の少ない艶やかな表情をもっています。
原料である苧麻は日本では「苧=からむし」とよばれ、古くから列島各地に広く自生していた植物です。縄文時代(推定)から衣料原料として使われていたとされ、『万葉集』の歌の中にも詠われています。
苧麻布は、その美しさから多くの権力者の夏衣装「湯帷子(ゆかたびら)」として珍重され、現代の「ゆかた」の原型であったといわれています。
(写真上)滋賀県で織られた苧麻の近江ちぢみの作務衣
江戸時代までは苧麻の産地は全国にあり、日本三大上布とよばれる、近江上布、越後上布、宮古上布など最高級の麻織物が次々と生み出されました。
しかし木綿の普及と同時に著しく技術者が減少。現在からむしの原料となる青苧(あおそ)を生産しているのは本州では福島県昭和村のみといわれ、伝統技術の保存および原材料生産の先行きが危ぶまれ、国の文化財保存技術として認定されています。
(左)からむしの茎を剥いで乾燥させたもの(右)からむしの原料「青苧」
麻とよばれるものには、亜麻(リネン)、
苧麻(ラミー)、大麻(ヘンプ)と3種類あります。
世界的には亜麻(リネン)は主にヨーロッパで、苧麻と大麻は中国で多く生産されており、その輸入量と国内の需要は、群を抜いてリネンが多く、苧麻や大麻はごくわずか。国産のみならず、苧麻布は国内で希少な存在なのです。
私たちが今回お届けする苧麻布は、近江上布の産地、滋賀麻工業様が中国産の苧麻で織り、仕立てたテキスタイルになります。
今回私たちがお届けする苧麻布「sayu」には、リネンにはない独特の魅力があります。
<生地スペック>
素材 :苧麻100%
生地(織り) : 平織り
苧麻布は「からむし」の茎(くき)を蒸して皮をはぎ、そこからとれる繊維で糸を作り、織られています。 繊維は平均約60mm前後で他の植物繊維と比べて最も長いのが特徴。 そのため全体的にリネンにはない艶やかさをまとっており、かつて高級布として献上されていた歴史が、その美しさを証明しています。
ゆかたらしいコシのあるシャリ感と清涼感がある一方、水洗いするとハリ感は落ち着き心地よい柔らかさになります。 シーツなどの寝具に使われてきたとおり、苧麻布は水に濡れると繊維強力が増すほど水に強く、汚れも落ちやすい特性をもっているのです。
光を程よく通しながらも向こう側が見えない、インテリアとして使いやすいちょうどよい透け感の厚さに仕上げています。
外からの光を採り込み室内に拡散してくれるほどの白さ。
光を通しながら向こう側は透けて見えない。糸の密度に工夫があります
「sayu」はオーダーでなく既製サイズでのみお作りしています。 これは、廃棄生地を一切出さない製造方法にこだわっているためです。
最小限の生地でつくるために、余計なヒダのないフラットなスタイルに。
さらにプラスチックフックはなく、好きなパーツとつないでコーディネートを楽しめます。
生地上部に8つのボタンホールがあいています
カーテンのほか、目隠しや間仕切りとしても使えます
苧麻布の生産には、高い湿度と美しい水は欠かせません。 渓谷から流れる美しく澄んだ川、所々に湧く清水、その水で苧麻の処理を行い、麗しい糸の生産に結びついていくのです。
さらに今回お届けする苧麻布「sayu」は、日本人の美意識に深く共鳴する、透き通るような白を目指し、繊維に付着した不純物を取り除く工程「晒し(さらし)」に、独自の工夫を凝らしています。
この晒し(さらし)の工程は、昔から大量の灰汁(あく)を使った釜煮や天日干し、雪晒しなど、その地方にあった手法が用いられてきましたが、「sayu」は、近江上布のある滋賀県湖東地区で、環境へ配慮した形で晒加工をしています。
滋賀の湖東地区は鈴鹿山系から流れてくる豊富な地下水があり、年間を通じて約15°Cの水が湧き出ています。この美しい水が晒加工など様々な加工に生かされています。
そして、使用した水は川に流して琵琶湖に流れていくのですが、滋賀県には排水について日本一厳しい基準があります。 その基準に適合した化学的・物理的な処理を晒加工を含む全ての加工で行い、汚れた水はバクテリアによる浄化処理を行っています。
さらに処理施設では、365日そのバクテリアの管理を行い、きれいな水に戻してから自然に帰し、水資源の持続可能な利用に向け取り組んでいるのです。
「sayu」。この商品の名に込めた想いは、白湯に由来します。
白湯は、朝一番に身体に採り入れることで血流の循環を生み、内臓をあたためてくれる、古くから知られた健康法のひとつ。 白湯は茶事でも用いられ、茶室に入る前の待合で、客人が白湯を飲んで心身を清めます。
生の循環を生み、清めるお湯。 そのお湯に風味や香りを加えずにたしなむ日本文化。 そしてそのお湯を白い湯と書き ”さゆ” とよぶ風情。
蹲(つくばい)も、茶室に向かう客人が手と口を清め、俗世の汚れを落とす意味をもちます 清めるという精神性や、循環を生むという本質性、 なんといっても「さゆ」という美しい音の響き、 そのすべてに微かな日本人の美の見立てと趣が感じられます。 私たちが目指した苧麻のテキスタイルは、まさに、白湯のような存在なのです。
絹のような艶やかさと麻らしい清涼感をあわせ持った表情。
繊維が細く、繊細な質感をおたのしみいただけます。
通常のカーテンに付属されているプラスチックフックは付いていません。
生地の上部に8つのホールがあいていますので、その穴に、セットで付属している「共紐」を通して吊ってください。
本体から切り取った生地耳から作った紐で、高い縫製技術により幅4㎜の極細に仕上げた紐です。
生地1枚につき共紐1セット付属していますので、別途購入の必要はありません。(幅4㎜×長さ40cm×8本)。
※こちらは別途単品購入が必要です。
キャメルカラーが徐々に濃くなっていく、本革本来の経年変化を楽しめます。(幅4mm×長さ35㎝×8本)※本体生地1枚分
針葉樹の樹脂が原料。黒ベースに白っぽい植物の繊維を感じる環境にやさしい素材です。(幅3mm×長さ40㎝×8本)※本体生地1枚分
黒の極小フック。レールのランナーを使って吊るす場合に使用します。(幅15mm×長さ3㎝×8個セット)※本体生地1枚分
カーテンの開け閉めをよりスムーズにしたいという方におすすめ。(幅21mm×長さ4㎝×8個セット)※本体生地1枚分
「sayu」は、オーダーでなく「幅150㎝×丈6サイズ」の既製サイズ展開です。
丈の6サイズは、120㎝、140㎝、180㎝、200㎝、220㎝、240㎝。
生地につなげる紐の長さを調整すれば、どんな場所(窓)にもお好みの長さに吊ることができます。
【カーテンでのサイズ選びの目安】
※カーテンとして2枚必要な方は、商品を2回ご購入ください。
※サイズにご不安なお客様はメッセージまたはLINEにてご相談ください。
※生地の最端のホールを1つのパーツで共有すれば横に何枚でもつなげられます。
またヒダが多いと思われた場合は、生地の端を折りたたむことで調整可能です。
照明のライティングレールに専用フックを追加して間仕切りとして取り付け
狭い空間こそ、白布の間仕切りを1枚吊るだけで奥行が生まれて広く感じられます
「自宅にあったサイズや枚数が分からない」「透け感を実際に確認してみたい」などご質問があれば下記LINEでお友達登録のうえ、お気軽にご相談ください。郵送にて生地サンプルもお送りできます。(お届けまでに約1週間ほどかかる場合がございます。